2020.1.23
『地域ブランド』という名の魔力
こんにちは!
Manmaの堀です。
今日は少し前にある場所でお話しした「地域ブランド」について書きたいと思います。
▲地域ブランド
「地域ブランド(ちいきブランド)とは、地域を主に経済的な側面から捉えたときの、生活者が認識するさまざまな地域イメージの総体である。」
Wikipediaより抜粋
少し分かりにくいですが、こんな言葉もよく聞かれました。
『地方創生とは、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策である。2014年9月3日の第2次安倍改造内閣発足後の総理大臣記者会見で発表された。ローカル・アベノミクスともいう。』
Wikipediaより抜粋
そうですか。2014年ということはもう6年前なのですね。
大きな社会問題である人口減少に歯止めをかけるために「地方を元気にしよう!」と始まったもので、政府が地方自治体に予算をつけその地方の特産物や伝統工芸品を地域外で売る「地産外商(消)」という言葉も流行りました。
考え方は素晴らしいですが、結論から言いますと全国的に結果はあまり上手く行ってないようです。そういう記事をよく見かけます。
その理由を実体験を含め僕なりに少しお話します。
と言いますのも、Manmaも「地域ブランド」という言葉に乗ってしまった事があるのです。
▲『地域ブランド化』の難しさ
約5年ほど前になりますが、国の補助事業で地域資源を活用した「認定事業」というものを活用させてもらいました。
簡単に説明すると、「地域(香川県)の名産物を使い自社の商品と合わせて新しい新商品を作る!」というものです。
Manma(株式会社ホリ)は、自社の「えびフライ」とオリーブ葉のパウダーを組み合わせた「オリーブえびフライ」を開発しました。
新聞にも記事として掲載されました。
開発期間は約1年。試作も繰り返し、小豆島のオリーブの生産者や専門機関にも足を運び試行錯誤して商品は完成しました。味の面も納得のいく出来栄えにはなりました。
そしてそれを持って、展示会や商談会に参加しました。が、なかなか売れません。売れないどころか、、、。
バイヤーに商品説明をしても嫌な顔。
「またオリーブかー。」と言われる始末。
それもそのはず、周りを見渡せばオリーブを使った商品ばかり。あれもオリーブ、これもオリーブ関連商品。
その時気付きました。
付加価値をつけて差別化するはずだったのに、逆に埋もれてしまった。
『地域ブランド』という名の魔力に取りつかれてました。
「香川=オリーブ」
行政もうどん県からの脱却に躍起になっていたのかもしれません。
▲商品開発から見る本質とは?
そもそもオリーブの葉は苦く美味しいものではありません。ポリフェノールや抗酸化作用はあるというものの、やはり緑っぽい色は食欲減退の色で、
『なぜオリーブの葉を加えるのか?』
『それが食べるお客さんにとってどうプラスになるのか?』
何より『美味しくなるのか?』という一番大事な部分が抜け落ちてしまっていました。
料理人時代の総料理長の言葉「料理は引き算。あれもこれも入れたくなるが、足し算ではなく引き算だよ。」を思い出しました。
もちろん地域ブランドとして成功している商品もたくさんあります。
しかし、僕の失敗の原因は一番大事な『何のためにこの商品を作るのか?』ということを見失ってしまっていたことでした。
最近でも「エシカル消費」「SDGs」など新しく流行る言葉があります。考え方は素晴らしくそうなるように継続的に努力するべきだと思います。
しかし、言葉の上澄みだけをすくってやると失敗します。これは全てにおいて言える本質でもあると思います。
結果的にこの商品は姿を消しつつありますが、
その後の商品開発「おべんとシリーズ」や
「otsumami アヒージョシリーズ」に教訓として生きています。
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