2016.3.10
後輩との再会
今日は”manma”とは、直接関係ありませんが、何か文章に今の気持ちを残し
ておきたかったので、ブログを書こうと思います。
僕が神戸で料理をしていた時の後輩が、今日の夜わざわざ兵庫県明石から訪ね
てきてくれました。
1週間ほど前に久しぶりに電話がかかってきて
彼「今度の木曜日に香川県に会いに行きたいのですが、お時間とれますか?」
僕「大丈夫だけれど、どうした?」
彼「ご相談したいことがありまして」
僕「改まって何や?」
彼「実は部下の事で相談がありまして、、、当時の僕と堀さんと同じぐらいの年齢差なのですが、当時どういう心境で僕に接してくれていたのかと思いまして」
僕「わかった。いいよ。で、本当の用件は何(笑)?」
などと冗談を言いつつ、今日約6年ぶり(彼の結婚式に出たので正確には4年
ぶりぐらい)に再会しました。当時、僕27歳、彼20歳ぐらいで4年近く一緒
に働き、一番濃い時間を過ごした一人です。当時は甘ちゃんでよく叱った覚え
があります。再会した彼は、一丁前にヒゲを生やし、逞しくなって、昔のあど
けない面影はなくなっていました。
晩御飯を食べながら話をし、わざわざ香川まで約2時間半をかけてまで来た理
由を聞きました。
彼が言うには、「20歳ぐらいの子に仕事を色々教えたりするけれど、返事を
しない、全然響かない、僕の考えだと返事をしないなんて理解できない、どう
すればいいのか?当時堀さんはどういう気持ちで僕に教えてくれていたの
か。」ということでした。
僕は、「まずはその子の事に興味を持ち深く知ることだ。この先どういう道に
進みたいのか。料理の道か。飲食の道か。それとも全然別の道か。教え方や叱
り方に正解は無い。その子の事をよく見て、その子のこの先の人生を真剣に考
えると、自然と答えは分ってくる。気に入られようとはするな。真剣に向き合
え。勉強しろ。本を読め。」などと、どこかで借りてきたような一丁前なこと
を話し、彼も真剣に聞いてくれた。もちろん僕も先輩経営者に教わったことで
もあるが。
また、「行き詰まり誰かに相談したかったが、自分のことを理解してくれ、
かつ厳しく律して道を示してくれる人は、僕には堀さんしかいなかった。」と
嬉しいことも言ってくれた。(もちろんそんなことはありません。。。)
彼は今兵庫県明石市で海鮮居酒屋の店長兼料理長をやっている。色々職を転々
とし、料理の道も離れたこともあったが、今も頑張っているとのことで、少な
からず僕も役に立っているようで嬉しくなった。
しかしながらさらに話を聞くと、彼はこの6年間僕よりはるかに苦労をしてい
た。結婚&離婚をし、上司や職場に恵まれず(彼に全く落ち度がないわけでは
ないが)職を転々とし、元嫁の残した約300万円の借金を払い、家業の親の跡
を継ぐか真剣に悩んでいた。そんな色々なものを抱えながら、寝る間を惜しん
で働き明るく頑張っていた。今どきの若者だと思っていた彼が、驚くほど大
人に成長していた。何かジーンと込み上げてくるものがあった。
そんな彼にプレゼントを渡した。A4用紙2枚に書いた「部下に対して、上司に
対して、彼が今するべきこと、店の運営のこと」など今の僕で考えうる全て
の”アドバイス”だ。
「どうせアホやから、帰りの車の中で忘れるから」との一文を添えて、今すぐ
じゃなくてもいつか役に立つ日が来るといいな、という想いで。
でも、自分の足で立っている彼には、こんなもの必要ないのかもしれない。
「苦労は若いうちにしろ。超えられない壁は神様は用意しない。」というけれ
ど、彼はたぶん成功するし、良い店が作れると思う。
彼は何よりお客さんの幸せを一番に考えている。
陰ながら応援したいと思う。
会いに来てくれてありがとう。